白石晩年の書簡 16
(3)深川の仮住まいで
大火後の白石の生活状況の一端は享保二年三月の室鳩巣宛の書簡でわかる。
「仰せ下され候如く、正月二十一日夕(出火の時)以後は隔生{世)の様に打ち過ぎ、日々存じ出(いだ)し候はぬ事もこれなく候。この節の義、それがしなどは当地にて成長し候てだに、書生の習に候へば生理(生活・生計)の事うかつに候故、何事も何事も不調に候。まして貴兄には年久しく北地(加賀をさす)に御入りの事にて、当地の事は御不勝手にて、万事御艱難と、これのみ心にかかり候処、一昨日深見久太殿(玄岱の長男有隣)入来(じゅらい)、御無事の事承り慰懐(安心)し候ひき。今日又貴使を労し(あなたのお使いにわざわざ来ていただいて)、大幸の至りに候。
加藩(加賀藩)御旧知仰せ合され御贈物候故に、駿河台に御宅をも築かれ候はん由、まづ まづ安堵の事に候。ただし当時(現在)の事にて、竹木工料など増し加り候節(建築費があがる時期)に候.猶又御艱苦の事たるべく候。申すに及ばず候へども、この節隣家にて望み候はヾ御屋敷の地猶々御かし候様にもなされ、わづかに百数十坪ばかりも御のこし、それにいかやうにも上下膝を容れ候ほどを思し召しよられ候へかしに候。よのつねにも造作の事は初めに存じ寄り候よりは次第に物も入り候ものに候。近辺の田舎などにて竹木ふきかや(葺 萱)いかやうにも御調へ候手筋(便宜)もこれあり候はヾ、少々は御便になる事もこれあるべく候。毎事御心尽しながらよくよくご料簡に過ぐべからず、これらの事に心得候ものを御相談相手になされ候より外あるまじく候。なにを申し候ても程遠く相隔たり候て、これらのご相談もなりかね、是非に及ばず候。」
大火後の白石の生活状況の一端は享保二年三月の室鳩巣宛の書簡でわかる。
「仰せ下され候如く、正月二十一日夕(出火の時)以後は隔生{世)の様に打ち過ぎ、日々存じ出(いだ)し候はぬ事もこれなく候。この節の義、それがしなどは当地にて成長し候てだに、書生の習に候へば生理(生活・生計)の事うかつに候故、何事も何事も不調に候。まして貴兄には年久しく北地(加賀をさす)に御入りの事にて、当地の事は御不勝手にて、万事御艱難と、これのみ心にかかり候処、一昨日深見久太殿(玄岱の長男有隣)入来(じゅらい)、御無事の事承り慰懐(安心)し候ひき。今日又貴使を労し(あなたのお使いにわざわざ来ていただいて)、大幸の至りに候。
加藩(加賀藩)御旧知仰せ合され御贈物候故に、駿河台に御宅をも築かれ候はん由、まづ まづ安堵の事に候。ただし当時(現在)の事にて、竹木工料など増し加り候節(建築費があがる時期)に候.猶又御艱苦の事たるべく候。申すに及ばず候へども、この節隣家にて望み候はヾ御屋敷の地猶々御かし候様にもなされ、わづかに百数十坪ばかりも御のこし、それにいかやうにも上下膝を容れ候ほどを思し召しよられ候へかしに候。よのつねにも造作の事は初めに存じ寄り候よりは次第に物も入り候ものに候。近辺の田舎などにて竹木ふきかや(葺 萱)いかやうにも御調へ候手筋(便宜)もこれあり候はヾ、少々は御便になる事もこれあるべく候。毎事御心尽しながらよくよくご料簡に過ぐべからず、これらの事に心得候ものを御相談相手になされ候より外あるまじく候。なにを申し候ても程遠く相隔たり候て、これらのご相談もなりかね、是非に及ばず候。」
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